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 雌漂木(メヒルギ) 

〜 南国を彩る日本産のマングローブ植物 〜

日本のメヒルギ風景

マングローブ林ではやや陸側に生育する常緑木本であり鹿児島以南に分布。盆栽のような美しい容姿と耐寒性に優れている特徴があるほか、成長すると板状の根を張り種子島や奄美大島などでは巨木も確認できる。

日本各地にある自生地/137カ所 〔18島〕

Googleマップで分布場所をみる >

 基本情報ガイド 

\ 木の語源 /

ヒルギ科のなかでも樹形が女性のように清楚である事から雌の頭文字をとり「メヒルギ」と和名が決まりました。「ヒルギ」の意味については親木から落ちるタネが水辺を漂いながら木に繁殖する様子を表現しており漢字では「漂木」と書かれます。

\ 学名由来 /

学名は「Kandelia obovata」です。「Kandelia」はインド語でメヒルギのことを指す「kandel/カンデル」から由来しています。また「obovata/オボバタ」については倒卵形の葉を付けるという意味であり学名はこれらの合成語であると言われています。

\ 植物分類 /

科名

ヒルギ科/Rhizophoraceae リゾフォラ

学名

Kandelia obovata/カンデリアオボバタ

英名

Yellow Mangrove/イエローマングローブ

別名

リュウキュウコウガイ(琉球笄)、インギー

保護

準絶滅危惧NT/鹿児島県版レッドデータ

絶滅危惧種の階級図

\ 発達環境 /

気候

平均気温(年)18℃以上の温帯-亜熱帯地方

性質

砂地や泥質土壌を好む(塩分にやや強い)

開花

春/4月-6月頃(種子成熟は10月-2月頃)

繁殖

種子落下→海流散布→土壌定着→木に成長

植生

マングローブの陸側に生育/中心群落

マングローブでの発達区域図

 形態的な特徴 

\ 全体樹形 /

常緑木本(じょうりょくもくほん)
樹高:2m-5mと背丈がやや低め

メヒルギの樹形図解

板根(ばんこん)が地上に現れる
英名:Butterss-Root/バットレスルート

板根の図解

木肌(きはだ)が割れると赤い
色味:薄い茶系/質感:ザラザラ

幹の図解

\ 器官構造 /

倒卵形の対生/長さ:6cm前後
色味:黄緑/先端が丸く光沢質

倒卵形をした葉の図解

内側:花びらは細長く白い糸状
外側:白色の(がく)が5枚

メヒルギにある花の図解

果実

棒状の胎生種子(たいせいしゅし)
色味:黄緑/長さ:17cm前後

胎生種子の図解
メヒルギの板根
メヒルギの胎生種子
メヒルギの花
メヒルギの葉

 地理的分布 

\ 国内自生地 /

日本のメヒルギ群落は鹿児島本土の日置市から沖縄県西表島までみられ世界分布の北限に位置づけられます。国内の自生地は18島137カ所ありマングローブ植物としての地理的な分布規模では東西南北ともに一番広範囲にひろがる樹種です。

最北端

最南端

鹿児島
神之川

西表島
大原川

最北端⇔最南端までの距離/1032km

最東端

最西端

種子島
湊川

西表島
パイタ川

最東端⇔最西端までの距離/1024km

\ 分布範囲 /
日本のメヒルギ分布地図

鹿児島県

沖縄県

自生地/31カ所
〔6島〕

自生地/106カ所
〔12島〕

 地域別の群落 

\ 伊豆半島 /

伊豆青野川の護岸で育つメヒルギ群落
潮が満ちた伊豆青野川のメヒルギ群落

静岡県南伊豆町湊にある青野川河口で1カ所群落がみられ昭和34年に種子島からの移植個体が繁殖します。自然分布には位置づけられてませんが当地では温暖気候と温泉の地熱効果などの好条件が合わさり枯れずに生き延びたと推測できます。

\ 薩摩半島 /

積雪した鹿児島のメヒルギ群落
鹿児島市喜入町のメヒルギ群落

鹿児島本土の薩摩半島/9カ所で小さな群落がみられ川の下流にかけて生育します。鹿児島市喜入生見町では国特別天然記念物リュウキュウコウガイ産地が有名ですが南さつま市大浦町にも幾つか自生地があり冬は降雪する事もあります。

\ 大隈諸島 /

種子島にある阿嶽川のメヒルギ群落
種子島にある湊川のメヒルギ群落

種子島/6カ所、屋久島/1カ所で群落があり川の下流から内陸湿地に発達していきます。種子島/湊川は8mある高木のメヒルギがあるほか阿嶽川には海面より高い位置で繁殖し、大浦川河口干潟では1m未満の非常に低い個体が立ち並びます。

\ 奄美群島 /

奄美大島のメヒルギ群落
徳之島のメヒルギ群落

奄美大島/8カ所、加計呂麻島/4カ所、徳之島/1カ所に群落があり太平洋側にかけて生育します。奄美大島住用川では砂が堆積した河口干潟に広がりを見せるほか徳之島/湾屋川では一度絶滅しましたが植樹により付近の海岸で成長しています。

\ 沖縄諸島 /

沖縄本島今帰仁村のメヒルギ群落
沖縄本島名護市のメヒルギ群落

伊是名島/2カ所、沖縄本島/47カ所、屋我地島/2カ所、宮城島/1カ所にあり海岸干潟と川の下流に生育します。沖縄本島ではメヒルギが一番分布を広げるマングローブ樹種であり名護市や今帰仁村をはじめ久米島の儀間川でも群落が残ります。

\ 宮古・八重山諸島 /

宮古島のメヒルギ群落
西表島のメヒルギ群落

宮古島/7カ所、伊良部島/1カ所、石垣島/7カ所、小浜島/1カ所、西表島/33カ所、由布島/1カ所、内離島/1カ所でみかけられ大きな群落は見かけられません。これは寒さに強いメヒルギが南方では勢力をやや弱める傾向にあることが理解できます。

オヒルギ

ヤエヤマヒルギ

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