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 八重山漂木(ヤエヤマヒルギ) 

〜 南国を彩る日本産のマングローブ植物 〜

日本のヤエヤマヒルギ風景

マングローブ林の海側にかけて生育する常緑木本であり沖縄本島以南に分布。波風にも耐えられるよう支柱根といわれる個性的な根を地面に伸ばし、宮古諸島をはじめ八重山諸島では海岸から河口域で見かけられる。

日本各地にある自生地/135カ所 〔13島〕

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 基本情報ガイド 

\ 木の語源 /

ヒルギ科のなかでも沖縄県八重山地方で多くみられることから地域シンボルとして和名を「ヤエヤマヒルギ」に選定。「ヒルギ」の意味については親木から落ちるタネが水辺を漂いながら木に成長する姿を表わしており漢字で「漂木」と書きます。

\ 学名由来 /

学名は「Rhizophora mucronata」です。「Rhizophora」はギリシャ語である「Rhiza/根」と「Phoreo/保持する」の組み合わせに由来。さらに「mucronata」は葉の先端がへこんでいる意味をもち学名はこれらの合成語であるといわれてます。

\ 植物分類 /

科名

ヒルギ科/Rhizophoraceae リゾフォラ

学名

Rhizophora mucronata/リゾフォラムクロナタ

英名

Red Mangrove/レッドマングローブ

別名

オオバヒルギ、シロバナヒルギ、インギ

保護

環境省・県版の絶滅危惧種としては未指定

絶滅危惧種の階級図

\ 発達環境 /

気候

平均気温(年)22℃以上の亜熱帯地方

土壌

砂の干潟や泥質湿地を好む(塩分に強い)

開花

初夏/5月-7月頃(種子成熟は6月-8月頃)

繁殖

種子落下→海流散布→土壌定着→木に成長

植生

マングローブの海側に生育/前面群落

マングローブでの発達区域図

 形態的な特徴 

\ 全体構造 /

樹形/円蓋形(えんがいけい)
区分/常緑木本(じょうりょくもくほん)
性質/平均樹高は4m-8mとやや高め

ヤエヤマヒルギの樹形図解

形状/支柱根(しちゅうこん)が地上に出現
英名/Prop-Root(プロップルート)
性質/呼吸機能、細胞壁で塩分濾過

支柱根の図解

形状/若木の幹は手で握れるほど細い
樹皮/表面がザラザラ質で赤茶色-灰色
性質/樹皮は防腐力あるタンニンを含む

幹の図解

\ 器官組織 /

形状/長楕円形の対生で裏に黒点あり
表面/深緑色、光沢質、長さ10p前後
性質/葉内で過剰塩分を蓄積して落葉

長楕円形をした葉の図解

外部/三角形をした黄色の萼(がく)が4枚
内部/毛が密生した白色の花びらが4枚
性質/雄雌の両性花で風により受粉媒介

ヤエヤマヒルギにある花の図解

果実/黄金色-茶色の卵形で長さ約3p
種子/棒状の胎生種子(たいせいしゅし)
性質/発芽種子は長さ約20pで深緑色

胎生種子の図解
ヤエヤマヒルギの支柱根 ヤエヤマヒルギの花
ヤエヤマヒルギの胎生種子
ヤエヤマヒルギの枝

 地理的分布 

\ 国内自生地 /

日本のヤエヤマヒルギ群落は沖縄県にある一部離島で確認され沖縄本島北部が世界分布の北限です。県内における自生地数は13島135カ所ありますがヒルギ科のなかでは南方系のマングローブ樹種であるため八重山諸島中心に生育します。

最北端

最南端

沖縄本島
大井川〕*緯度上

西表島
大原川

最北端⇔最南端までの距離/491km

最東端

最西端

沖縄本島
慶佐次川

与那国島
田原川

最東端⇔最西端までの距離/568km

\ 分布範囲 /
日本のヤエヤマヒルギ分布地図

鹿児島県

沖縄県

自生地統計/0カ所
〔0島〕

自生地統計/135カ所
〔13島〕

 地域別の群落 

\ 沖縄諸島 /

沖縄本島慶佐次川のヤエヤマヒルギ群落
屋我地島のヤエヤマヒルギ群落

沖縄本島/22カ所、屋我地島/2カ所、宮城島/1カ所、久米島2カ所の「合計27カ所」に群落があり樹高は3m前後です。天然林としては沖縄本島東村/慶佐次川をはじめ金武町/億首川や名護市/久志大川に限られその他は植樹で繁殖しました。

\ 宮古諸島 /

宮古島のヤエヤマヒルギ群落
岩礁に根を伸ばす宮古島のヤエヤマヒルギ

宮古島/8カ所、伊良部島/1カ所の「合計9カ所」に群落がみられ宮古島では島尻バタラズと与那覇湾に樹高4mの木が立ち並ぶほか入江湾では琉球石灰岩の上にも低木が成長します。伊良部島では下地島と隣接した海峡干潟に群生しています。

\ 石垣島+小浜島 /

石垣島のヤエヤマヒルギ群落
小浜島のヤエヤマヒルギ群落

石垣島/29カ所、小浜島/1カ所の「合計30カ所」に大きな自生地があり当地のマングローブ林でほぼ出現します。石垣島は河口や内陸の閉鎖性水域でも群落があるほか小浜島/石長田海岸は波打ち際の干潟で約1kmにわたり生い茂ります。

\ 西表島 /

西表島のヤエヤマヒルギ群落
西表島崎山湾のヤエヤマヒルギ群落

西表島/64カ所で集団群生しており当地のマングローブ自生地で全地点生育します。樹高6m前後の高木も多くみられ東部地区/仲間崎には岩礁に根を伸ばす個体があり西部地区/崎山湾では岬の浸食岩に株立ちする小群落もみられます。

\ 由布島+内離島 /

由布島のヤエヤマヒルギ群落
内離島のヤエヤマヒルギ群落

由布島/1カ所、内・外離島/3カ所の「合計4カ所」で生育しており砂浜や湿地で生育します。両島は大きな川が流れていない立地でありながらも比較的に樹勢良好な群落が取り残され隣接する西表島より流れてくる漂着種子も発芽しています。

\ 与那国島 /

与那国島田原川のヤエヤマヒルギ群落
田原川中流寄りのヤエヤマヒルギ群落

与那国島/1カ所には植樹されたヤエヤマヒルギが定着しており日本最西端のマングローブ林に位置づけられます。この自生地は島北部にある田原川下流にあり沖縄県内有数の探鳥地でしたが治水工事によりその大半が伐採されました。

メヒルギ

マヤプシキ

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