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 雄漂木(オヒルギ) 

〜 南国を彩る日本産のマングローブ植物 〜

日本のオヒルギ風景

マングローブ林の陸側にかけて生育する常緑高木であり奄美大島以南に分布。ひとの膝を曲げた独特な根を地上に張りめぐらせるほか、棒状の胎生種子と光沢感のある葉を伸ばし沖縄地方では群落が数多く存在する。

日本各地にある自生地/153カ所 〔15島〕

Googleマップで分布場所をみる >

 基本情報ガイド 

\ 木の語源 /

ヒルギ科のなかでも全体の姿が男性のように雄々しいことから雄の頭文字をとり「オヒルギ」と和名が決まりました。「ヒルギ」の意味については親木から落ちるタネが水辺を漂いながら成木することを表わしており漢字では「漂木」と書きます。

\ 学名由来 /

学名は「Bruguiera gymnorhiza」です。「Bruguiera」は1700年後期にフランスの学者「Bruguieres/ブリュギエール」が名づけたことに由来。さらに「gymnorhiza」は根が地上に露出しているという意味をもち学名はこれらの合成語といわれます。

\ 植物分類 /

科名

ヒルギ科/Rhizophoraceae リゾフォラ

学名

Bruguiera gymnorhiza/ブルギエラギムノリザ

英名

Orange Mangrove/オレンジマングローブ

別名

アカバナヒルギ、ベニガクヒルギ、タンガラ

保護

絶滅危惧II類VU/鹿児島県版レッドデータ

絶滅危惧種の階級図

\ 発達環境 /

気候

平均気温(年)21℃以上の亜熱帯地方

性質

軟らかな泥質土壌を好む(塩分にやや強い)

開花

初夏/5月-7月頃(種子成熟は4月-7月頃)

繁殖

種子落下→海流散布→土壌定着→木に成長

植生

マングローブの陸側に生育/中心群落

マングローブでの発達区域図

 形態的な特徴 

\ 全体樹形 /

常緑高木(じょうりょくこうぼく)
樹高:3m-10mと背丈が高め

オヒルギの樹形図解

膝根(しっこん)が地上に現れる
英名:Knee-Root/ニールート

膝根の図解

剥がれた皮目(ひもく)が目立つ
色味:こげ茶/質感:デコボコ

幹の図解

\ 器官構造 /

長楕円形の対生/長さ:10cm前後
色味:深緑/先端が尖り光沢質

長楕円形をした葉の図解

内側:オレンジ色の花びら10枚ほど
外側:赤色の(がく)が10枚ほど

オヒルギにある花の図解

果実

棒状の胎生種子(たいせいしゅし)
色味:深緑/長さ:15cm前後

胎生種子の図解
オヒルギの膝根
オヒルギの胎生種子
オヒルギの幹
オヒルギの葉

 地理的分布 

\ 国内自生地 /

日本のオヒルギ群落は鹿児島県の奄美大島以南から沖縄県の西表島までみられ世界分布の北限です。国内での自生地数は15島153カ所ありマングローブ植物では一番生育している樹種に位置づけられ群落面積も圧倒的な規模を誇ります。

最北端

最南端

奄美大島
内海公園

西表島
大原川

最北端⇔最南端までの距離/713km

最東端

最西端

南大東島
大池

西表島
イドゥマリ川

最東端⇔最西端までの距離/782km

\ 分布範囲 /

日本のオヒルギ分布地図

鹿児島県

沖縄県

自生地/6カ所
〔2島〕

自生地/147カ所
〔13島〕

 地域別の群落 

\ 奄美群島 /

奄美大島のオヒルギ群落
加計呂麻島のオヒルギ群落

奄美大島/3カ所、加計呂麻島/3カ所に群落があり北限域にあるため平均樹高は3mと低めです。河口や塩水湖にも生育しており奄美大島/住用川や加計呂麻島/呑乃浦干潟では古くから原木が残り徳之島/湾屋川では過去に自生記録もありました。

\ 沖縄諸島 /

沖縄本島のオヒルギ群落
屋我地島のオヒルギ群落

伊是名島/1カ所、沖縄本島/33カ所、屋我地島/2カ所、宮城島/1カ所、久米島/2カ所に群落があり奄美地方と比べると樹高が高くなる傾向があります。海岸や川の下流にかけて生育しており屋我地島では樹齢100年の巨木が立ち並びます。

\ 大東諸島 /

南大東島のオヒルギ群落 皮目が発達した南大東島のオヒルギ

南大東島/4カ所に生育しており大池の畔では外洋と切り離された淡水池に陸封型群落をつくります。世界的にも稀な立地環境であるほか一般的なオヒルギは地面に膝根を伸ばしますが当地ではそれが目立たず幹の皮目がより発達します。

\ 宮古諸島 /

岩礁で根を張る宮古島のオヒルギ
宮古島のオヒルギ群落

宮古島/5カ所、伊良部島/1カ所に生育しており樹高4m前後の木々が群落を形成します。宮古島の川満地区では地下水と海水が混ざり合う汽水池に自生地があるほか入江湾最深部では硬い琉球石灰岩に根を伸ばしている低木もあります。

\ 石垣島+小浜島 /

石垣島のオヒルギ群落
小浜島のオヒルギ群落

石垣島/31カ所、小浜島/1カ所に自生が確認されており河口域から川の中流まで幅広く群生します。石垣島北部にある吹通川では樹高10mを超える高木もみられ当地のマングローブ林ではオヒルギが一番生育範囲を広げている樹種といえます。

\ 西表島+周辺離島 /

岩礁に根を張る西表島のオヒルギ
西表島のオヒルギ群落

西表島/61カ所、由布島/1カ所、内・外離島/3カ所に群生しており樹勢のある個体が多く出現します。西表島北部のユツン川河口ではマングローブ地帯から離れた砂浜にもオヒルギが発達しており根元が砂に埋もれながらも生き延びています。

メヒルギ

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